さて、エンジン焼付で入庫したエンジンなんですけども、上の写真はクランクシャフトベアリング(カム側)のインナーレース。
クランクケースを分割したらこんな状態でした。通常、インナーレースはフライホイール側にくっついているのですが、外側に移動しちゃってます。
もう一つ注目する点なのですが、インナーレースに溝がきざんであるのがわかると思います。この溝はローラーベアリングが移動しないようにリテーニングリングがはまっている溝なのですが、リングが見当たりません。
そこで、下の画像に注目してください。欠けたギアとその破片です。写真上のギアがエンジンの回転によって回されるオイルポンプのギアです。ギア中心近くに溝があります。同じくシャフト外側にも溝があります。この溝が同じ位置にあり、そこに回転防止のキーが差し込まれているのですが、見事にキーがねじれて溝の位置がずれてしまっています。こうなると、シャフトからギアが外れませんのでシャフトを切断して外しました。おまけにシャフト自体も曲がっており、このギア周りを外すのに半日かかってしまいました…
欠けたギアと破片なのですが、長い破片があるのがわかりますか?これが脱落したリテーニングリングです(もはや面影はまったくありませんが…)
インナーレースに不自然なベアリングの当たり面が残っていますが、オイルポンプが回っていない状態でだいぶ走ってしまっているので、リテーニングリングが外れたのが先かインナーレースが外側に移動したのが先かは現段階では不明です。今後、追及していきたいと思います。
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